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2010年3月3日(水)サブは永眠した。9歳7カ月。 すべては私の責任、家内での事故だった。 年度末で会社が忙しい中、私は前日まで変頭痛のため休んでいた。 その日は早めに目が覚めるも二度寝してしまう。 何かの夢を見ていたような気がする。携帯のアラームはまだ鳴っていない。 ふと目覚め、携帯アラームが鳴らないのが不安になり携帯の時計を見ると・・・既に8:25。 急いで飛び起き支度をする。 顔を洗い、歯を磨き、サブのウンチを片付け、サブに餌をやり、着替えに入る。 今日は午後から出かけるため作業着だ。 ガスストーブの前で着替えていると、いつの間に餌を食べ終わったサブが足元に・・・。 ズボンを履く時によろけてしまい、サブの鼻先を蹴飛ばしてしまう。「キャン!!」 ゴメンゴメンと謝るも遅刻しそうなため急いで会社へと向かう。 出張に出た日はいつもより早めに会社から帰る。 この日も会社を出たのは20:00ごろ。 朝食用にとパンとヨーグルトを買いにドン・キホーテに寄り帰宅する。 家に着いたのは21:00ごろ。 玄関を開けるとサブが迎えに出てこない。 何か悪さをしていたり熟睡しているか何かの場合は迎えに来ない時もあったため、何かやらかしたのか?と思った。 家に入り、部屋の電気を点けて振り向くが、いつものところにサブの姿が無い。 「サブ!」と読んでみるが、姿を見せない。 テーブルの下かと覗き込んでみるが居ない。 さすがにここまで姿を現さないのは何か変だ。 洗面所から風呂場を覗くと風呂桶の蓋が桶の中に落ちている。 水をはったままだったため蓋をしていたはずと桶を覗きこむとソコには!・・・。 半分近くはってあった水は、すべて無くなっていた。 蓋は一枚蓋で結構な重さ。サブの大きさから持ち上げるのは困難。さらに水の中ではなおさらだ。 風呂の中には、これを必死で取ろうとしたのであろうものも一緒に落ちていた。 排泄物も落ちていた。 上半身は蓋の下敷きとなっており下半身が静かに横たわっている。 声をかけても、もちろん反応は無い。 おそるおそる触ってみると、死後硬直しきってしまったように硬い。 悲しみよりも早く埋葬をしてあげなければと思い、サブ愛用の毛布を用意した。 排泄物を片付け、そっと蓋を外し毛布をかける。 私はとてもじゃないがサブを直視できなくなっている。 毛布ごとサブを持ち上げる。吸水した水が多すぎるせいか、サブとは思えないほど重い。 そのまま庭の片隅に穴を掘り埋葬した。 ここ最近の出来事で実の母が亡くなり、サブが一人で居る時間は長くなっていた。 最初のころはサブもおとなしく、自分の帰りを待っていてくれた。 しかし、散歩の回数低下や食事の時間が遅くなったりとストレスを感じていたのかもしれない。 ゴミ等を漁るようになってしまった。 その対応としてサブの届かないところへ移していく。 すると、今度は未開封のものを破壊して行くようになる。 それらもなるべくサブの届かないような場所へ移動するようにした。 何を思ったのが、食べ物ではないものもターゲットになってしまう。 その一つに風呂場にあるものも対象となった。 それらを窓枠のところに置き容易に取れないようにしていた。 しかし、これは浴槽の蓋の上に乗れば取れてしまうところである。 度々悪戯はしていたようだが、あまり困らなかったため、そのままにしておいた。 蓋も重さがあるため、サブぐらいであれば動かないだろうと心配はしていなかった。 これが事故に繋がるとも知らずに・・・。 突然ペットの居ない生活が訪れた。 ・トイレ用のペットシートが必要なくなった。 ・ドックフードが必要なくなった。 ・リードも必要なくなった。 ・サブ用の飲み水を取り換えることも無くなった。 ・朝の餌やり、ペットシートの変えの作業が無くなった。 ・帰宅してからの餌やり、ペットシートの変え作業も無くなった。 ・帰宅時、出迎えるサブの姿も無くなった。 ・食事をする際にテーブルに置いた食事をサブに取られないように注意することが無くなった。 ・ゴミ箱を荒らされないように棚の上においていたが、それも必要なくなった。 ・カップラーメンの箱を壊されることも無くなった。 ・朝、ガスヒータの前の陣取り合戦が無くなった。 ・掃除機をかける頻度が減った。 心のどこかで未だにサブの死を受け止められずにいる自分が居る。 会社から帰り玄関を開けると、部屋に染み付いたサブの匂いがする。 未だ片付けられないサブ愛用の毛布から、サブがひょっこり出てくるような気がする。 未だ片付けられないサブの小屋、悪戯したときはションボリした表情で小屋に入っていた様子が思い浮かぶ。 サブの温もり、部屋に落ちているサブの毛、染み付いたサブの匂いは日が経つにつれ薄れ消えていくだろう。 思い出も薄れていくだろう。 しかし、思い出は薄らいでも忘れることはない。 写真を見るたびに思い出すだろう。サブと過ごした日々を・・・ありがとう!(完) |